開催報告|ブロックコンファレンス 2025
令和7年6月21日 (土) 於 星陵会館
「あなたらしく、わたしらしく お茶でつながる新しい物語」をタイトルに掲げ、「茶道と多様性」をテーマに開催いたしました。ご来賓の先生方、青年部会員、他ブロック、青年会議所茶道同好会、学生茶道研究会の方々と総勢265名にご参加いただきました。
角張博子ブロック長の開会の挨拶の後、淡交会関東第一地区 副委員長 陶山宗好先生のご挨拶、淡交会総本部 組織部主任 若山卓也様による総本部報告、青年部全国委員会 総括幹事 飯田晴子様より全国委員メッセージをいただきました。
講演では、メディアアーティストとして幅広く活躍され、2025年大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンをプロデュースする落合陽一氏を講師としてお招きしました。落合氏は淡交の連載をきっかけに北見宗幸先生から茶道を学び、現代社会における伝統文化の意義を問い直す活動を続けておられます。万博で展示している「null²(ヌルヌル)」や「ヌル庵」など、今まで創り出した作品のスライドを交えつつ、作品の意図、背景を含め、詳しくご解説いただきました。最新技術を駆使し伝統的なものを再現しつつも、伝統文化に対して尊敬の意を示すことの重要性についてのお話が大変印象的でした。「茶道はメディアアートである」と語られるように、自分自身がその「場」を創り、時間を選び取っている感覚を持つことや、人と人との関係性を構築し一緒に「味わう」ことは、普遍的で「人」にしかできないことではないでしょうか。
質疑応答では、タイムパフォーマンスが求められる現代における時間の制御権について触れられ「時間と空間のコントロールを自分の手の内に戻すには、茶道が良い」というメッセージをいただきました。昨今、何事も効率優先になりがちですが、茶道を通じて「静」と「間」の力を取り戻すという発想は、心にも深い余白を与えていただいたように感じます。流れるようなお話の中で、多くの気付きや刺激をいただきました。
講演後のディスカッションでは、周りの方々と「講演を通じて、今後どのように茶道と向き合っていきたいか」「どのようなチャレンジや工夫をしてみたいと思うか」ということについて会話する時間を設けました。短い時間ではありましたが、意見交換することで、考えを深める機会となりました。
ご来場された方々には、「茶道と多様性」というテーマにちなみ、見立てで、野点ができるお道具組みをご紹介した後、星陵会館1階の会議室で一碗をお楽しみいただきました。
呈茶後は、メッセージボードの「茶道の一番好きなところ」にシールを貼っていただきました。全体的にどの項目にも満遍なくシールが貼られており、皆様の茶道への深い愛情が感じられる投票結果となりました。
会場前のブースでは、18青年部の行事で作成した作品を展示させていただきました。ご来場の皆様には興味を持ってご覧いただき、それぞれの活動について深く知っていただく貴重な機会となりました。
講演終了後は、第37期L・T出向員研修会と広報の報告を行い、淡交会総本部 組織部主任 若山卓也様より会の総評をいただきました。最後に、渡邊学実行委員長の謝辞で締めくくられました。
ブロックコンファレンス2025では、茶道を通じて多様性の理解を深める新たな気づきを得るとともに、尊敬と感謝の大切さを改めて認識することができました。このような貴重な機会をいただき、またご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。