開催報告|6/26 ブロックコンファレンス2021

2021年6月26日(土)に、関東第一ブロック主催 のブロックコンファレンス2021がオンライン開催されました。他ブロック58名を含め200名以上の方にご参加いただきました。

今年のブロックコンファレンス2021のテーマは「未来に紡ぐ青年のITO(イト)」で、そのITOはアルファベットで書かれています。これには、紡ぐ【糸】、何かを実現しようとすることを示す【意図】、そして今日もご参加にあたってご活用いただいている【IT】など、複数の意味が掛け合わされています。本日のこのブロックコンファレンスという機会にご縁をいただき、画面越しにお会いできた皆様お一人おひとりの個性同士が紡がれ、1本の糸になることをイメージしています。

社会情勢を鑑みて、参加者の皆様には事前にオンラインで基調講演を視聴いただいた上でご参加いただき、当日は呈茶と体験型研修、そして懇親会を行う形式で実施しました。

アンケートまとめ

基調講演 「共感とコミュニケーション 」
住吉美紀 様(フリーアナウンサー/文筆家)

基調講演は、フリーアナウンサーかつ文筆家であり、そして東京第三東青年部会員でもいらっしゃる住吉美紀様に、「共感とコミュニケーション 」をテーマにお話しいただきました。ブロコン参加者のみなさまに、事前にオンラインでビデオを視聴してもらった上で、参加いただきました。

住吉様のご自身の体験に基づきながら、最近は世界的に、”共感”がより重要となってきていること、メディアによって同じ事実でも伝わり方が異なることなどのお話の後、コミュニケーションの手段は主に3つあるとのお話をいただきました。

  1. 映像・画像(印象、イメージ、舞台のメディア): 視覚的な情報は伝わる情報が多く、映像の細かいところまで計算されていれば強力な手段(例:映画、など)である一方で、伝わらなくてもいいことも伝わる、視覚情報がノイズとなる、などのデメリットもあるとのお話でした。
  2. 文字・絵・本(静止画): 論理的な思考や事実を伝えるのに最適(データ)であり、マニュアルや情報などを伝えるのに向いているとのお話でした。
  3. 音声メディア 音声、ラジオ、ポッドキャストなど: 3秒では伝わらないし、データや論理的な思考を伝えるのには難しいが、気持ち、抽象のメディアとして最適とのお話で、音と言葉に神経が集中することで、話し手の気持ち・価値観・内面が伝わり、内容の奥行きがふくらむとの話でした。

 その上で、組織で1つのことをする時、思った以上に理解してもらえない、他の人が自分の思ったよりモチベーションがない、コミュニケーションの悩みを解消するためには、上の3つのメディアを目的に応じて使い分ける必要があるのではとの話がありました。
 また、声や言葉でコミュニケーションをとる際に、より効果的なコミュニケーションの3つのポイントをお話しいただきました。

  1. 「自分の常識は、他人の非常識である」 ということを忘れない。「こう言ったつもりじゃなかった」 は自分の都合であり、受け取り側の立場になって発言することや、相手の反応を見ながら話をすることを心がけるべき、
  2. 自分から腹をわろう、うなずき、共感し、自分から腹を割って話そう。
  3. 「誰もが話をきいてほしい」、 ということを忘れない。

参加者からは、「日常生活に役に立つ内容で興味深い」、「視覚的な刺激に慣れていたので、あえて音声メディア・聴覚にフォーカスしてみるというのは新鮮だった」、「早速会社で新入社員向けに心がけてみよう」、「効果的な声のコミュニケーションを活用してお互いが仕事のしやすい環境をつくっていきたい」などと言った声が聞かれ、大変有意義な講演でした。

開会式

西川和晃ブロック長の挨拶で開会し、その後、東京第二東支部副支部長・パスト全国委員・青年部常任相談役の椿邦司様、淡交会参事・関東第一地区副委員長秋山宗和先生、全国代表者会議の金ヶ崎政伸副議長、茶道裏千家淡交会総本部事務局次長兼総務部部長の松尾拓二様にご挨拶を頂きました 。

呈茶

開会式後には、参加者全員のご自宅に事前に郵送されていた抹茶とお干菓子を、皆で一緒に頂き和やかな時間を過ごしました。今回のお干菓子は「味噌煎餅」と、州浜で作った「梶の葉」で、ご製は吉祥寺・亀屋萬年堂で、今回のブロックコンファレンス2021のために特別に作っていただいたオリジナルになります テーマ 「未来に紡ぐ青年のITO(イト)」のように、画面越しにお会いできた皆様お一人おひとりの個性同士が紡がれ、1本の糸になった その先をイメージした模様を味噌煎餅に描いていただきました。

味噌煎餅の左の柄は「つながる」をイメージして描いていただきました。一方で、右の柄は18本の【糸】がモチーフとして描かれており、関東第一ブロックの18青年部を表しています。ブロコン当日は七夕が近いということもあり、織姫や五色の糸というイメージも重ねています。そして梶の葉に糸を通して、笹の葉につるし、みなさまの願いを掛けられますようにと、梶の葉を添えました。この梶の葉は今回のために実行委員会で金型を作成し、使用していただきました。

お抹茶は、山政 小山園の「小倉山」。青年部の先輩でもある土井園様てご用意いただきました。

参加者からは、「抹茶を飲む際、ギャラリービューに参加者の皆様が飲んでいる様子が映り、オンラインながら同じ場所で一緒に飲んでいる気分が味わえて幸せを感じた」など、オンライン呈茶を楽しむ声が聞かれました。

体験型研修 「共感とコミュニケーションに活かす「禅」の智慧」
島津清彦 様(シマーズ代表取締役/曹洞宗僧侶)

次に「共感とコミュニケーションで活かす禅の智慧〜座禅体験と前後 ワークショップで心を調える〜」というテーマで、体験型の研修が行われました。講師は、株式会社シマーズ・ZenTechの代表取締役であり、Zen Method Academy学長・曹洞宗の僧侶でもいらっしゃる島津清彦様です。

先ずは冒頭に参加者で「一期一会」の意味について思いを馳せ、講演がはじまりました。「一期」とは一生、という意味から、「一期一会」とは、一生に一度の出会い、目の前の出会いを大切にという、「一期一会」という言葉が生まれた戦国時代の事情にも言及頂きながら、言葉の意味を改めて示唆頂き、「一期一会」への想いを新たにすることで研修がスタートしました。

その後、不確定な時代/VUCAの時代にあって、社会的にも日常生活としても迷いと混沌の中、「禅」とマインドフルネスが改めて注目をされていることや、 その効果は何かなどの話とともに、「禅」における「座禅」の大切さについてお話を頂きました。坐禅は習慣化することで、脳の厚みが変わるというのが脳科学的にも証明されているということで、島津氏の指導のもと、実際に参加者自身も坐禅 、姿勢の平定、呼吸の平定、そして心の平定を行いました 。

最後は、コミュニケーションで使える5つの禅語として、利休居士の名前の由来という一説がある「名利共休(みょうりともにきゅうす) 」「挨拶」「和顔愛語」「対機説法」「全機現」などの言葉を教えていただきました。

また、坐禅後や禅語についての数回のワーク(ブレイクアウトルーム)では、都度ランダムにグループになった方々と内容について意見交換や共感をし合うことができました。

参加者からは以下のような意見・感想が聞かれ、大変有意義な時間を過ごせたことが伺えました。

  • 「禅」を日常の中にいかに取り込むか、ということを冒頭にメッセージとして頂くことで、研修の心構え、受け取りがマインドセットされた。
  • チャットを使用した交流によりオンラインではあるが、参加交流型で、参加者も積極的にチャット発言がなされ、場の隔たりのない研修交流がはかられた。
  • 坐禅の体験では、おりん の澄み切った音から始まった。 おりんの音が静かに消えていく余韻と、自分と向き合う瞑想、そして終了の合図のおりんの音で一気に現世に戻る感覚が非常に心地よく感じた。
  • 「禅」の歴史的な背景に触れながら、いろいろなことが身にまとわりついたり、心にのしかかっていく中、それを削ぎ落していく必要性を感じた。
  • 禅語の講話では、禅語の読み方やその意味を最初から教わるのではなく、どう読むのか、それはどういう意味か、そしてその真意は何か、をまっさらな心で語り合うことで新しい気付きもあった。
  • 和顔愛語は、今後、日常や仕事において意識して過ごしたい。
  • オンラインでの坐禅は、関東第一ブロックメンバーだけでなく、日本全国から心を一つにする、という感覚を共有できた。
  • ブレイクアウトルームでの交流もあり、それぞれの坐禅で感じた感覚を共有することで、お互いの受け取り方の違いなども理解できた

閉会式

茶道裏千家淡交会総本部の宮本尚寛組織部主任より講評をいただきました。最後に、矢追美和実行委員長より謝辞があり、ブロックコンファレンス2021は閉会となりました。

懇親会

西川ブロック長、岩井政勝副実行委員長より挨拶があった後、安東副ブロック長の乾杯の声で懇親会が始まりました。

その後、木下監事のウィットに富んだ進行のもと、裏千家関東学生茶道研究会、そして北は北海道から南は九州まで 参加いただいた他ブロックメンバーから地域性に富んだご挨拶を頂きました。

和やかな雰囲気の中、20のグループに分かれて、お干菓子の味噌煎餅のご銘を考えるアクティビティがありました。

アンケートまとめ

参加された皆様には、アンケートにご協力いただき、誠にありがとうございました。 お陰様で、貴重なご意見を多数いただくことができました。 アンケートの内容は、分析させていただき、より魅力的なブロックコンファレンスに繋がるように取り組んで参ります。 

最後は加藤まどか副実行委員長より、参加者と実行委員の方への感謝の言葉があり、名残惜しい雰囲気の中で閉会となりました。全ての人とのご縁に感謝して、報告書の結びとさせていただきます。